道路の円滑な通行を可能とするため小幡駅から大森・金城学院前駅間の約1.9kmの区間を高架化し、途中の9箇所の踏切を除却する事業が1999年(平成11年)より進められていましたが、2025年(令和7年)7月26日にいよいよ下り線の高架線での運行が開始され、先行して廃止されていた1箇所を除く残り8箇所の踏切が廃止されました。切替工事は25日の終列車運行後に実施され、翌26日の始発列車から高架線での運行が始まりました。途中の喜多山駅は地上の仮駅舎から高架下の設けられた新しい駅へと生まれ変わり、同時に終日駅員が配置されない無人駅になりました。
なお喜多山駅の下り1番線はまだ完成しておらず、これまで使用してきた仮線のホームを撤去した後に工事が開始されるものと思われます。加えて小幡〜大森金城学院前駅間の仮線の撤去後に側道の整備が進められる予定で、すべてが完成したのちに事業完了となります。
2009年10月4日から使用されてきた地上の仮駅舎の最終日となった7月25日。有人駅としても最終日という事で、硬券入場券を購入するファンの姿もありました。
2025年7月25日 喜多山駅にて
高架下に設けられた新しい喜多山駅の改札口。準備も整い翌日の使用開始を待つばかりの状態。
2025年7月25日 喜多山駅にて
仮線の仮ホーム移転後から設置されて使用されてきたLED式の発車標も最新の液晶タイプに変更となるため7月25日が最終日。文字が他駅はオレンジですが喜多山駅は白いのが特徴でした。
2025年7月25日 喜多山駅にて
線路切替部では事前に線路の高さの調整、バラスト撤去の時間短縮のために土嚢に入れる等の準備が進められていました。そのため現場は速度制限が掛けられていました。
2025年7月25日 小幡〜喜多山間にて
23時を過ぎると作業員の方が現場に集まりだし、工事現場の照明をつけるなどの準備が始まりました。作業開始前にミーティング、KYなどを実施して工事開始です。
2025年7月25日 小幡〜喜多山間にて
日付が変わった0:01、尾張瀬戸行きの最終列車が小幡駅側の切替工事現場を通過。照明に照らされながらもう走る事のない仮線へと向かう。
2025年7月26日 小幡〜喜多山間にて
喜多山駅に到着した喜多山行きの最終列車。この4003Fが地上線を最後に走った編成となりました。金曜日で多くの乗客が下車する中、最後という事でファン以外にも写真を撮影される方がちらほら。
2025年7月26日 喜多山駅にて
喜多山駅止まりの最終列車は普段そのまま翌日までホームに留置されていましたが、切替工事のため尾張旭に回送となりました。
2025年7月26日 喜多山駅にて
乗客が構内から出ると券売機、窓口のシャッターが下ろされました。翌日からは無人駅となります。
2025年7月26日 喜多山駅にて
電源が落ちると切替工事開始です。遮断機の棹が外され、警報器にはカバーが掛けられました。
2025年7月26日 喜多山駅にて
下り線の切替工事も開始されました。枕木ごと線路を移動させるためバラストを撤去します。ある程度事前に土嚢に詰めているため撤去は比較的スムーズに作業が進みます。
2025年7月26日 喜多山〜大森・金城学院前間にて
重機と人力により線路を少しずつ高架線側へと移動させます。
2025年7月26日 喜多山〜大森・金城学院前間にて
ガス溶断で地上線側レールを切断していきます。現場に赤々とした火花が飛びます。
2025年7月26日 喜多山〜大森・金城学院前間にて
レールを切断後、レールを仮設の架台で吊り上げて一気に高架線側へと移動します。
2025年7月26日 喜多山〜大森・金城学院前間にて
レールを移動後に高架線の新しいレールと接続する部分の調整を高速カッターで行っていきます。
2025年7月26日 喜多山〜大森・金城学院前間にて
レールの移動が終わった尾張瀬戸方から撤去していたバラストを重機で戻していきます。
2025年7月26日 喜多山〜大森・金城学院前間にて
レールの高さや位置を測定しジャッキ等で調整。不足部へはバラストの補充をしつつ、最後は重機で突き固めを実施していきます。
2025年7月26日 喜多山〜大森・金城学院前間にて
レールの移動がある程度完了すると高所作業車が登場。架線の繋ぎ替え作業が開始されます。新旧それぞれの吊架線を引っ張り、切断後にクリップで繋いでいきます。
2025年7月26日 喜多山〜大森・金城学院前間にて
喜多山駅の入口通路の切替も進み、準備されていた看板のシートも剥がされました。
2025年7月26日 喜多山駅にて
空も白み始めた頃、切替工事もそろそろ終了です。現場では高圧洗浄機を使って砂埃の洗浄が行われています。
2025年7月26日 喜多山〜大森・金城学院前間にて
そろそろ始発列車の時間が近づいた頃、喜多山駅4番線からの下り1番目の試運転列車が現場を通過。
2025年7月26日 喜多山〜大森・金城学院前間にて
続いて2本目の試運転列車。栄町からの試運転列車で、小幡〜喜多山間の1番列車となった列車です。
2025年7月26日 喜多山〜大森・金城学院前間にて
喜多山駅始発の1番列車。ジブリラッピングが施されている4013Fが使用されました。この日は喜多山駅4番線からの出発でした。
2025年7月26日 喜多山〜大森・金城学院前間にて
試運転3本目は栄町から試運転として尾張旭に向かった4017Fを再び栄町に回送し、試運転として喜多山駅まで走行。下り線から4番線への渡り線部の試運転が行われた格好です。
2025年7月26日 喜多山駅にて
4007Fには喜多山駅付近鉄道高架化記念の記念系統板が掲出されました。
2025年7月26日 喜多山駅にて
系統板のアップ。記念系統板は8月31日まで掲出される予定です。
2025年7月26日 喜多山駅にて
喜多山駅の改札口です。オムロン製の自動改札機が3通路設置されました。上部にはおしゃれな照明が設置されています。
2025年7月26日 喜多山駅にて
喜多山駅の自動券売機です。2台設置できるスペースはありますが1台のみの設置です。無人駅になったため横には案内用のモニター付きインターホンも設置されています。
2025年7月26日 喜多山駅にて
喜多山駅改札口の発車標です。LCDを用いた最新式の発車標が設置されました。3列車分が表示されます。
2025年7月26日 喜多山駅にて
喜多山駅改札口の自動精算機です。最新式の精算機にモニター付きインターホンが併設されています。
2025年7月26日 喜多山駅にて
喜多山駅改札口内の1階部です。広々とした空間が広がっています。ダウンライトを用いて柱を浮かび上がらせるようなインテリアデザインです。
2025年7月26日 喜多山駅にて
喜多山駅改札口横にトイレが設けられています。バリアフリーに対応した多目的トイレも併設されています。
2025年7月26日 喜多山駅にて
瀬戸方の階段の踊り場部分です。ここも広々とした空間となっています。3・4番線側のドアは乗務区へと繋がっています。
2025年7月26日 喜多山駅にて
ホームに設置された発車標です。2番線、3番線側にLCD式の発車標が設置されました。他の名鉄の駅と同じく乗車位置表示も表示されていますが、4両固定の瀬戸線で必要かと言われれば微妙です。
2025年7月26日 喜多山駅にて
発車標に乗車位置が表示されるのに合わせてホーム面に乗車位置表示が設けられました。
2025年7月26日 喜多山駅にて
無人化に合わせてホームにもインターホンが設置されました。
2025年7月26日 喜多山駅にて
バリアフリーに対応するためエレベーターが2基設置されています。下り線は赤、上り線は青と色分けされています。
2025年7月26日 喜多山駅にて